トップインタビュー

これを読めば、オーミックのすべてがわかる！？神谷社長が語る、企業ストーリー。創業当時のエピソードやこれまでの歩み、製品への想いや今後の展望、社長の生い立ちまで、リアルな声をお届けします。

高い技術力が認められ、医療器具の製造で事業を拡大

株式会社オーミック（以下、オーミック）では、医療機器の製造販売を行うメディカル事業部と、機械や工具を販売する鳳産業事業部の２事業部制で事業を展開しています。

もともとは機械や工具、軍手などの道具を卸す商社、鳳産業株式会社を営んでいましたが、サービスの一環として新たに、工場の補修部品をつくる金属加工の会社を設立したのがオーミックの前身となる株式会社三光製作所です。

会社として大きく変革したのは、オーミックに社名変更した1988年以降です。顧客ニーズに応え続けた結果、その高い技術力が認められ、1991年から医療器具の下請け製造を開始しました。

とはいえ、当時はまだ医療機器よりも工業製品の製造が大半を占めていたこともあり、バブル崩壊とともに一気に仕事が激減。増産体制に対応できるように新設備を導入したばかりだったので、このままでは会社の存続が危ないということで、自社ブランドの医療機器の製造へと一気に舵を切りました。

従業員一丸となって何とか危機を乗り越え、2010年には鳳産業株式会社を鳳産業事業部としてオーミックに統合し、その後は順調に事業を拡大してきました。

日本人の体型に合わせた骨折治療用インプラントでトップシェア

メディカル事業部では主に、大腿骨、脛骨などの骨幹部(骨の中央部)が折れた場合に使用される骨折治療用インプラントと、整形外科用手術器械を製造しています。

中でも主力製品の「大腿骨転子部骨折用ネイル」は、国産品としてはトップシェアを誇ります。大腿骨の中の空洞に「髄内釘（ネイル）」という金属製のインプラントを入れて、外からビスを打って固定し、骨折した部分がくっついた後は抜去するというものです。日本人の体型に合う豊富なラインナップを揃え、全国の医療機関でご使用いただいています。

大腿骨のインプラントを使用される患者さまはご高齢の方が多く、骨折によって寝たきりになってしまうと、認知症が進行したり、筋力が低下して歩けなくなってしまいます。インプラントを使用すれば最短で翌日からリハビリでき、患者さんのQOL改善にも大きく貢献しています。

もし、自分の身近な人が骨折してインプラントを使用されることになった時、「オーミックの製品だったら大丈夫！」と言える、自分たちが誇りを持てる製品づくりをして欲しいと、いつも現場には伝えています。

マーケティングから薬事申請まで一気通貫での対応が可能

当社の強みは一貫した生産体制にあります。マーケティングから、設計開発、製造、薬事申請まで一気通貫での対応が可能です。

医師の細かなニーズに応える手術器械や、顧客の声を反映したオーダーメイドの製品など、年間200以上のアイテムを自社で設計開発し、これまでグッドデザイン賞を4度受賞しています。難切削材加工の専門として高精度な製品を提供できることから、宇宙航空研究開発機構（JAXA）の指定工場にもなっており、人工衛星打ち上げ用国産ロケットの部品も製造しています。

また、将来的には海外展開も視野に入れ、情報収集をはじめています。日本人と骨格が似ている東南アジアなどは、まだまだ人口が増加傾向にあるので、骨折治療用インプラントの需要は増えると考えています。

会社を継ぐ！と決めたのは大好きな父を亡くした小学生の頃

おかげさまで会社の規模は年々大きくなり、僕の同世代や若い世代の社員も増えて、大変心強く思っています。

会社を継ごうと決めたのは小学生の頃、大好きだった父を亡くした時です。当時、父は鳳産業の総務を担当していて帰りが遅く、僕は毎日「今日は何時に帰ってくる？」と聞いては、父の帰りを待っていました。そんな仕事熱心な父の体調に異変が起きたのは、僕が９歳の時でした。熱が下がらず、大きな病院で精密検査を受けたら即入院。抗がん剤の影響でまつげまで抜け落ち、別人のように変わっていく父の姿は小さな僕にとって大変ショッキングでした。でも、子供ながらに、家族や会社を守るんだという使命感から、「僕が会社を継ぐ！」と宣言しました。

そんな決意を胸に、大学卒業後は取引先の医療機器メーカーで約4年間修行させていただきました。最初の2年半は営業として東京都内の60病院を担当し、その後はアメリカで研修生として１年半、製造や購買、設備管理の仕事を学び、帰国後にオーミックへ入社。営業部や製造部で実務経験を積んだ後、専務となり、2020年の2月に社長に就任しました。

社員の成長を後押し！まだまだ伸びしろのある会社

ここ数年で急成長した会社なので、古い体質から抜け切れてない未熟な部分もありますが、その分、まだまだ伸びしろがあると捉えています。新入社員研修や、技能検定などの資格取得の推進、外部セミナーへの参加など、社員の成長を後押しする仕組みや制度も整いつつあるので、「ものづくりが好きな人」「素直で前向きな人」には、ぜひオーミックで一緒に働いていただきたいです。

今後もメイドインジャパンならではのものづくりを通して、国内外の患者さまのQOL向上を目指すとともに、鳳産業事業部とのシナジー効果で、地域社会へ貢献できるよう全社をあげて取り組んでまいります。